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偶然立ち寄った新橋の古書祭りで文庫を眺めていたら、タイトルが面白いので手にとってしまった本。カバーも綺麗で良いですね。読んでみるとかなりの当たりでした。

どうして生きているのか。自分は何者なのか。そんな問いかけに高尚な自己実現だなんて題目を振りかざすのではなく、ただ生活を通じて自分自身の過去から何かを見出そうとする姿勢が見られます。真っさらなデザイナーズマンションで家具を買おうとするも、さてここからどんな部屋にだってできるのだと思うと、何も決められない。椅子を買おうとインテリアショップを巡ってみて、どれもこれもしっくり来ない。そんな情けないようなおかしいような話に、自分をどこにも定位できないという難問が重ね合わされる。個人的にはなかなかに好きです。

ただ異性愛絶対という感があるのがどうしても引っかかったけれど、そこは本質ではないと思って読めば十分に楽しく読めました。

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