きっと僕の生きてるうちには普通の自動車は空は飛ばないし、透明チューブの道路も極めて疑わしいが、有り得なかった未来の代わりに。
Amazonで商品を注文する。広大なAmazonの倉庫からロボットが商品を選び出し、またRFIDライターによって記録された配送情報が貼りつけられ、コンベアに送出される。適切なアルゴリズムを使って管理されたルートに沿って、荷物は車から車へと積み替えられ、無人運行の自動車によって消費者の最寄りの営業所に移送される。
荷物の受け渡しに日時指定なんて古臭い仕組みは必要ない。スマートフォンの位置情報、予定情報と連動して在宅時間が予測される。個人宅に荷物を運ぶ車はトヨタとNTTの共同して作られた汎用インテリジェントカーベースの後部ブロックに、中型個別貨物配送ユニットを取り付けたものだ。常にインターネットに接続され、Googleのサーバから暗号化されて配信される現在の位置情報にリアルタイムに接続し、最適なルートを受信し、また真にリアルタイム性が要求される車の運転そのものには車内のCPUが当たる。
宅配便が家の前に到着すると、僅か十メートルしか無い距離を遙かに遠回りして情報が伝達し、携帯端末のSMSトリガーが叩かれて気づく。携帯端末を持って自動車の後部ユニット部のICタグリーダ部位にかざす。既にユニット内のベルトコンベアやエレベータを組み合わせたような複雑な機構は必要な荷物をすぐ手前に運び出しており、シャッタが開くと目の前に目当ての荷物が有る。RFIDタグを取り外してその場に置いて、荷物を取り出す。シャッタが降りる。目的を果たしたことを個別貨物配送ユニットに伝えられたRFIDタグは自らの情報をリセットし、RFIDタグタンクに溜め置かれ、適宜回収、再利用される。
こんなことを書いたが、きっとこんな未来はそう来ない。人間はオフィスのペーパーレス化すら出来てないそうじゃないか。